1.20代~40代の女性に多いのが偏頭痛
頭痛は大きく分けて3種類あり原因と対処法が異なります。
20代~40代の女性に多いのが偏頭痛で、脳の血管が拡張することで三叉神経が刺激され炎症物質が生成されます。
脳の血管が広がる原因は様々で、睡眠バランスの乱れや空腹などがあります。
女性に多いのは排卵時など女性ホルモンに関係して誘発されやすいためです。
他にも努力家や真面目な人に多いとされます。
血管が拡張するため、ズキンズキンという痛みが現れこめかみや目が痛む場合もあります。
症状が出ると光や音、ニオイに敏感になり吐き気を催します。
光がいつもより眩しく見える閃輝暗点は偏頭痛の前兆です。
これが起こると数十分後に痛みが出る可能性が高いので、部屋を暗くして光による刺激を避けましょう。
カフェインは血管を収縮する作用があるので、発症してしまった後の対策としてコーヒーを飲むのは効果的です。
同じようにアイスパックなどで首元や頭を冷やすのも拡張した血管に効きます。
また睡眠のバランスが崩れて過眠や不眠を引き起こすと周期的に繰り返すようになるため、規則正しい生活を送ることが予防になります。
人によってはチョコレートやチーズ、ワインなど特定の食べ物がきっかけで痛みが現れます。
そのような人は原因となる食べ物を極力食べないあるいは食べ過ぎないようにします。
2.ストレス社会を生きる日本人に非常に多い緊張型頭痛
緊張型頭痛はストレス社会を生きる日本人に非常に多いタイプです。
頭や首の筋肉が過度に収縮し神経を刺激したり、血流が悪くなって老廃物が蓄積したりすることで引き起こされます。
長時間のパソコン操作や眼精疲労などで身体的なストレスが続くと血行不良に陥ります。
また精神的なストレスを受ければ交感神経が活性化するので、血管や筋肉が収縮しっぱなしになります。
身体的・精神的ストレスと深く関係しており、発生した痛みがさらにストレスとなって症状を悪化させることもあります。
痛みには個人差がありますが、頭をギューっと締め付けられるような感覚が続き首の筋肉を動かしくにくくなります。
日中の疲労が蓄積する夕方から症状が出ることが多く倦怠感や目の疲れを伴います。
吐き気はないので痛みを我慢できれば日常生活に支障は出ませんが、数時間で治らずに痛みが慢性化する人がいるなど侮れません。
痛みが現れたら冷やすと筋肉がさらに収縮するので、お風呂やマッサージなどで首と頭を温める必要があります。
またパソコンを使っていたらパソコンを閉じるなど、ストレスを与えている行動を一旦止めるのも効果的です。
精神的なストレスが原因だと避けるのは難しいですが、趣味やスポーツなどで上手く気分転換する方法を見つけます。
首コリや肩コリなどで血流が悪くなっている人は、ストレッチをしてコリを解消します。
背筋や腹筋を鍛えることも全身の筋肉を支える上で重要です。
マットレスや枕を自分に合ったものに調整すれば、就寝中に首や肩にかかる負担を軽減できます。
3.群発頭痛は20代~30代の男性に多い頭痛
20代~30代の男性が大半を占めているのが群発頭痛です。
片方の目の奥に痛みが出て1ヶ月ほど続きます。
特徴的なのはいつも同じ時間帯に現れることで、明け方の寝ている時に目をえぐられるような強い痛みに襲われるというケースが多いです。
1時間~2時間ほどで治まりますが、痛みのある目で充血や瞳孔が小さくなるなどの症状は残ることがあります。
痛みが発生するメカニズムは脳の視床下部が刺激を受けて三叉神経に痛みが出るというもので、三叉神経は右と左で独立して分布しているので片側にしか症状が出ません。
目の奥が痛むのも三叉神経がつながっているためです。
なぜ視床下部が刺激を受けるかは分かっていませんが、症状が出るおよそ1ヶ月間の群発期はアルコールを摂取すると必ず痛くなります。
よって群発期には飲酒は厳禁でタバコも吸ってはいけません。
タバコと痛みとの直接の関係は分かっていないものの、この病気で悩んでいる人の多くが喫煙者です。
他のタイプと違って群発頭痛は鎮痛剤を服用しても症状が改善しないため、病院で治療を受ける必要があります。
治療法として主流なのは三叉神経の興奮を抑制するトリプタンを自己注射することです。
内服薬でもトリプタンは摂取できますが効き目が出るのに30分~1時間かかります。
この治療では即効性が求められることから、10分くらいで痛みが改善される自己注射を行います。
自分で注射をするのは最初は難しく感じられますが、医師の指導を受けて正しく注射できるようになります。
病院によっては1日だけ入院して注射方法をマスターするところもあります。
痛みが軽減されるか分かっていませんが、酸素吸入によっても治療は可能です。
症状が改善されない人もいるので専門の医師に診察してもらうことが大切で、2018年4月から保険が適用されるようになったため金銭面の負担は小さくなりました。
このタイプは1時間~2時間で一旦痛みが治まるのが普通で、痛みが続くならばくも膜下出血など他の病気の可能性があり医療機関の受診は必須です。