動物病院は文字通り動物を対象とした、ペットの診療を目的としている施設で、獣医療法により定められています。
飼育動物を対象とした病院には産業動物向けの施設も含まれますが、一般的には住宅で飼育できる、小動物向けの施設を指します。
施設には診察室や手術室などがあり、設備の充実でいえば人間向けの一般的な病院よりも充実しています。
これは1つの施設で様々な疾患を診断したり、治療を行う必要があるからで、それだけ獣医師の仕事は重大で豊富な知識と経験が求められることを意味します。
院長を始めとした獣医師と動物看護師などのスタッフが在籍
多くの施設では、院長を始めとした獣医師と動物看護師などのスタッフが在籍しており、チームで診療にあたります。
規模の小さい施設では、1人で複数の業務を担当することもありますが、手術のように1人ではできないことも多いので、大抵は複数人で診療を行います。
手術室や設備があるということは、当然ながら入院室も存在しますし、レントゲンや顕微鏡などの設備も完備です。
血液検査や滅菌器など、動物病院の設備は人間の病院と比べても遜色ありませんし、むしろ人間の総合病院に近いイメージです。
それからMRIやCT、放射線治療装置まで有する病院もあるので、ここまでくれば本当に総合病院と言っても過言ではないです。
動物病院の治療費が高めな理由
全ての施設に高度な設備があるわけではないですが、がん治療なども行っている病院は検査機器だけでも高額ですから、開業時にかなりの資金が必要となります。
動物に公的な保険制度が存在しないことも理由の1つですが、動物病院の治療費が高めなのは、こういう事情も理由となっています。
自由診療なので施設によって料金体系は異なりますし、開業資金の回収が済んでいる病院であれば、比較的安く診療が受けられる可能性があります。
しかし、設備の新しさは後発の病院に軍配が上がりますから、そこは治療費と設備が新しいか否かのトレードオフとなるでしょう。
設備が最新で治療費も安い、そういう良いとこ取りの理想的な病院はまずないです。
また駅徒歩数分のように好立地な病院も、賃料が高いビルなどに入居しているので、必然的に治療費の設定が高くなります。
動物病院の選び方
利便性を重視すると、地代の高い好立地に出店する必要があって商品価格を上げざるを得ない、ある意味でコンビニに似ていますから、そう考えれば治療費が高くなるのは無理もないです。
ただ、飼い主にとってはいくら治療費が高くなろうとも、家族同然のペットの命の方が大事という人が多いです。
大切なのは信頼できて頼りになる、かかりつけても良いと思える獣医師のいる動物病院を選ぶことです。
動物は人間の言葉を話せませんから、飼い主が代わりに獣医師と意思疎通を行い、状態や変化を伝える必要があります。
つまり、コミュニケーションが難しい獣医師には診療を任せられませんし、ペットにとっても不安を感じることになります。
逆にいえば、飼い主と向き合い、真摯に耳を傾けて対応する獣医師であれば、信頼して任せられる可能性が高いといえるでしょう。
他の人達の評判や口コミを鵜呑みにするのは駄目
結局のところ、実際に診療を受けてみないと本当のところは分かりませんし、他の人達の評判や口コミを鵜呑みにするのは駄目です。
動物病院選びは、人間の病院同様に決して簡単ではありませんが、いくつかのポイントを押さえれば簡単になります。
評判は評判として参考材料の1つになるので、これも積極的に活用することをおすすめします。
基本は生活圏にある病院を候補にリストアップしたり、駅近くなどの条件で候補を書き出すことです。
範囲を限定しないと候補が膨れ上がってしまいますから、まずは絞り込むことがポイントとなります。
ある程度候補を絞り込めたら、次は評判の良さや口コミの数などの順番で並べ替えます。
上から順に比較していくと、相対的にそれぞれの良し悪しが見えてくるので、それを繰り返しながら更に絞り込んでいきます。
口コミに目を通す際の注意点としては、良い評判だけでなくネガティブな評判も確認することです。
良くない評判にこそその病院の本質が分かる情報が隠れていることがあるので、必ず目を通しましょう。
身近にペットを買っている人がいるなら、飼い主に評判の良い動物病院を尋ねてみるのも1つの方法です。
動物に公的保険制度はありませんが、民間の保険会社は存在するので、民間保険に対応しているかどうかも病院選びの判断材料になります。
言うまでもないですが、民間とはいえ保険会社に対応している病院は信頼性が高く、対応していない病院と比べて安心できます。
まとめ
勿論、最終的にどのような基準でかかりつける病院を選ぶかは飼い主次第ですし、治療費の安さで選ぶのもありです。
やはりペットにとって一番といえる病院かどうか、それが大事ですから、安さで選ぶにしても納得して決められるように、なるべく時間を掛けて検討したいところです。
ネットで得られる情報を含めて、今は情報収集が容易な時代なので、複数の情報源を味方につけて多角的に比較検討するのがおすすめです。