山本昌について
スポーツ選手の選手生命はとても短いと言われています。
それもそうですよね。
体力のピークは10代から20代前半ですから、あとはゆっくりと落ちていくものなのです。
30過ぎたあたりから、段々と周りについていけなくなり30半ばあたりで引退となるのが通常です。
激しいスポーツほど、その傾向があるようです。
しかし、稀な例はあります。
その代表格が、山本昌さんです。
山本昌さんは、現在52歳の元プロ野球選手です。
ポジションは花形のピッチャーです。
左投げ左打ちです。
体格にすこぶる恵まれていて、身長が186センチ、体重が87キロです。
つい2年前の2015年9月に公式戦最後の出場を果たし、2016年に引退試合を経て現役を引退しています。
つまり、50歳まで現役を貫いた強靭な体力と精神力の持ち主なのです。
山本さんプロフィールを少し紹介すると、趣味はラジコンや車や甲虫集めです。
特にラジコンは、大会に参加して入賞したこともある程のめり込んでいるみたいです。
結婚は2回しており、1度目の奥様とは一男一女をもうけています。
その後離婚しましたが、2013年に一回り以上年下の女性と再婚しています。
山本昌の半生
山本さんは、本名は山本昌広で、1965年8月11日生まれです。
東京で生まれ、神奈川で育ちました。
子供の頃から体格に恵まれ、スポーツをするにはもってこいだったようです。
当時は他のスポーツはあまりなく、子供達は決まって野球で遊んでいたので、山本少年も自然と野球が身近な存在となっていきました。
高校では、もちろん甲子園を目指しました。
しかし3年間通して、残念ながら甲子園に行く前に敗退しています。
高校卒業後の進路は、大学に進むつもりだったみたいですが、1983年に中日ドラゴンズに指名されたことにより、プロ入団を決めたそうです。
次はプロ現役中についての話です。
プロ入り後は、結構な茨の道だったようですね。
プロ入りから3年は大した活躍もなく、初出場を果たしたのは、1986年でした。
しかしすぐに怪我に見舞われてしまい、1軍の戦力とは程遠い結果でした。
そして1988年、当時アメリカの野球チームと業務提携していた中日ドラゴンズは、交換留学をしました。
その中の1人に山本さんが選ばれたのです。
この交換留学を機に心機一転し、ピッチャーとして重要なコントロールを磨いたり、生活習慣の改善を覚えていきました。
同年3月には、実力を買われ、メジャーリーグのロースター入りを打診されました。
しかし中日ドラゴンズの監督は山本さんを呼び戻すことを決めたので、メジャーデビューには至りませんでした。
この交換留学の帰国後の成績は、中日のリーグ優勝でした。
先発に加わった山本さんの力が大いに発揮されました。
1989年にはまた再留学が決定します。
茨の道だったプロ野球人生
1990年代前半には、恩師の死や怪我に見舞われたり、多難な期間が数年続きましたが、93年と94年に自己最多記録をあげています。
1990年代後半は、勝ち星が巡ることは少なかったようですが、それでも1999年には、防御率が高く、チームに大いに貢献しました。
2000年代に入ってからの調子は、良かったり、悪かったり、波が出てきたように思えます。
しかし、複数の記録を達成しています。
2006年には通算2000奪三振を達成しています。
また同年9月には、ノーヒットノーランを達成しており、40を過ぎてからの達成は最年長記録だそうです。
2000年代は、これらの他にもこれまで他の人が成し遂げていない、記録を出しています。
年齢による衰えを感じさせないのは何故なのでしょうか。
2010年に入ってからは、怪我とも戦いながら、リーグ優勝をしたり完封勝利したり、チームに多大なる貢献を果たしています。
2011年には、山本さんが現役として最年長選手になりました。
しかし怪我の手術もあり2011年後半の登板はありませんでした。
翌年、無事に復帰し、中日ドラゴンズ最多勝とる通算212勝目を勝ち取りました。
2013年、2014年とも、複数の最年長記録を更新するなど、まだまだ現役を続けるかと思いました。
しかし2015年、ついに山本昌さんは現役引退をしました。
50歳1ヶ月の選手生命を終えたのです。
このように、選手時代の経歴を見ていれば、決してエリート街道を走っていたわけではないことが分かるでしょう。
32年というとてつもなく長い選手生活の中では、たくさんの難がありました。
怪我もいくつも重ねていたり、調子を落としたことも何度もありました。
それでもその度に自分に喝を入れ、地道なトレーニングを長年積み重ねたりしながら、50歳まで現役を貫けられたんだと思います。
数あるスポーツの選手生命の期間は、冒頭で述べた通りとても短いと言われています。
しかし、類い稀なる精神力の強さと、強靭な肉体・体力を持ってさえいれば、50歳現役も叶わぬ夢ではないです。
山本昌さんのように、年を重ねても尚、実力が発揮出来るのはとてもすごいことですよね。